さて、2日はガンガラーの谷の散策(息子は探検気分)に行ってきました。ちなみにガンガラーとは昔縦穴がありそこに石を投げ入れるとどこまでも落ちていきガランゴロンガラガラと音がした事からついた名前です。
ここは、38年前に玉泉洞を整備した時に一緒に整備したのですが、川の汚染がひどく公開されずにいた所で、つい2年前から公開された場所です。しかしここにはいろいろな貴重なものが眠っています。まずは大きな鍾乳洞の中に作られたツアーカウンター兼カフェで受付を済ませ、順番を待ちます。鍾乳洞は大きく、写真パネルやプロジェクター展示、カフェがあります。
まず洞窟内に張ったテントの中で探検気分に引きずり込みながら、初めの説明を受けます。ここはもともと海底でサンゴがありそれの塊が隆起して地上になり中が川となりトンネル状に掘られたものです。しかし大部分はトンネルの天井部分が崩落して普通の谷になってしまっています。そんな説明を受けながら、自然にアイスブレーク(ツアーの最初などにみんなの緊張を解きほぐす事)が行われていきます。別にそれに固執している訳でもなくすばらしかったです。是非身につけたいです。
そして、15人ほどで鍾乳洞を出て谷に入ります。この出口あたりでは3000年前の土器なども出ているそうです。さて谷に出ると説明が無ければただの小川とジャングルで何の変哲もない所ですが、昔はここには巨大な鍾乳洞があったのです。
2枚目の写真はその昔38年前に整備された名残の東屋です。屋根にオオタニワタリが生えていますが、落ち葉を栄養としているので屋根でも大丈夫です。自然界では通常樹の上に寄生するような形で生えていますが、栄養を吸い取っている訳ではありません。サルオガセと同じです。
3枚目の写真は昔人が住んでいたであろうとされる横穴です。こんなのが無数にあります。ジャングルでは位置が分かりにくく、谷筋は位置もわかりやすいし、水もあり、雨もしのげる穴もありと最高の居住環境だったようです。
4枚目のはガジュマルの木です。キジムナーという精霊がいるとも言われています。心のきれいな子供にしか見る事が出来ないそうです。ところでこのガジュマルは見たとおり、左に傾き次々に空中根を地上に降ろし左へ左へ歩くように進んでいきます。石灰質な土壌なので養分が少なくなるので動くのではとも言われているそうです。
その後女の洞窟、男の洞窟と言われる所を見学します。そのまんま、洞窟内に女性のシンボル・男性のシンボルに似た鍾乳石がありなかなかのものです。男性の洞窟は大きく、古めかしいランプを頼りに歩き探検気分です。
その後鍾乳洞の天井が崩落した岩塊のそばを通り、いきなり開けるととてつもなく大きなガジュマルの樹が出現します。でかいです。ここだけその樹のおかげか鍾乳洞の天井も一部残っており両方の壁にまたがるように生えています。
そこを抜けるとツリーハウスがあり、谷から上に出る形になるのでいきなり風がきます。そしてそこからは港川人の発掘場所も眺める事が出来ます。その間には小川と平原。ここを動物を追いながら暮らしていたのでしょうか。
そして最後の鍾乳洞へ。ここはいまも調査中で近い将来歴史の教科書を塗り替えるような発見があるかもしれない所です。
というのも2008年にここから2500年前のほぼ完全な形で岩の石棺に入ったじんこつがはっけんされ、また4000年前のたき火の後も発見されました。それが最後の写真の場所です。そして発掘にあたった国立科学博物館の方たちも驚いたのは、4000年前の土の表面と現在の表面がわずか15cmしかないという事だと言います。という事は4000年間ここの環境はほとんど変わっていないという事です。またこのそばからは6000年前の石器も発見されました。しかしこの先の岩のクラック(裂け目)に落ちたか埋葬された可能性があり、石灰質な事から顔の復元写真までできるほど良好な状態で発掘された港川人は1万8千年前の人です。まだ1万2000年の開きがあるという事で、発掘はつづけられているそうです。
環境、そしてそこで起こった歴史等たぐいまれなる良いロケーションですが、インタープリテーションとして最高でしたし、学ばなければいけない事が一杯ありました。その様子を動画で見て頂ければ一目瞭然なのですが、有料で行われているプログラムの中身を動画で配信するわけにはいかないので、是非ご自分の目で!
沖縄にもし行く事があればぜひ行ってみてください。今回第1のお勧めです。
ガンガラーの谷
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